TICFF2025 公式結果発表2025年11月22日発表
2025年の東京国際カナビス映画祭(TICFF)は、世界各地から集まった多様な作品によって大きな盛り上がりを見せました。大麻文化、医療、個人の物語、そして社会的視点など、多彩なテーマを扱った作品が並び、審査は非常にハイレベルな争いとなりました。出品いただいたすべての監督・制作者の皆さまに心より感謝申し上げます。
🇺🇸Pariah to Profit: Accepting the Power of Marijuana監督:Jesse Tunison, Natec Linda Penn(アメリカ)
医療大麻の現状と未来を、多くの関係者に丁寧に取材しながら描いた姿勢に強く好感を抱いた。特に、ハワイという地域特性を活かした「垂直統合型」の仕組みは、日本の今後にとって非常に参考となる。初心者にも専門家にも理解できる、シンプルでありながら奥深いドキュメンタリーである。
Hempman vs. the StateH監督:Sampsa Huttunen(フィンランド)
主人公の不屈の精神と行動力に心を動かされる作品。大麻規制の厳しさが日本に限らないこと、北欧の情報が日本にほとんど届いていないことなど、多くの示唆を与えてくれた。ふとした表情に見える主人公のユーモアや愛情が、世界共通の“麻への親しみ”を感じさせる。長期にわたる密着取材を続けた監督の真摯な姿勢にも敬意を表したい。
Mary & I – A Late Bloomer’s Quest for Love監督:Wally Zamwa(スウェーデン)
10年に及ぶセルフドキュメンタリーは、監督自身の癒しと変容の物語でもある。長い年月の中で、削ぎ落とすことが難しかったであろう素材の多さが、ときに冗長に感じられる部分もある。もしそこが整理されていたら、グランプリに迫る可能性もあった。しかし、その“削ぎ落とせなさ”こそが監督の葛藤であり、この作品の魅力の一部でもある。
② Rolled with Care監督:Shaindel Brodie(アメリカ)
ジョイントの巻き方をテーマにした作品は極めてユニークで、大麻文化の“日常の芸術性”を見事に掬い上げている。巻き方ひとつで相手の背景が見える──そんな文化的感性をニューヨーカーらしいセンスでまとめた点を高く評価したい。最低限の要素でここまで惹きつける作品が成立したこと自体が、新鮮な驚きである。
① A Strange Trip監督:Mike L. Hall(アメリカ)
コメディ・大麻文化・人間ドラマという難しい要素を、父と息子のロードムービーという普遍的なテーマに落とし込み、安心感と温かみのある作品に仕上げている。ベトナム戦争を生きた世代の自由な精神と、現代のディスペンサリー文化との対比、ワーゲンバス、ウッドストック、若い娼婦のひと言──短い尺の中で驚くほど豊かに描かれている。
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